少し前、英語か何かの勉強をしていたときに、
これ語学勉強しているとよく考えることだと思うんですが、
言葉というのはどのように覚えるのだろうか?
ということを考え始めて、
幼児期に言葉を覚えたときは中学生になって英語を覚え始めたときとは全く違うように覚えたんだよなあ
というこれまたよくある話を考えていました。
母国語と外国語の習得を比較してもしょうがないかもしれないけれど、特に日本は島国だし、それに系統もよくわからないという特殊な環境だからドイツ人が英語を覚えるのとはちょっと話が違うような気がする。
真裏までは行かないけれど日本から遠く離れて、どんな高楼に登っても絶対にみられないブリテン島とその周辺で話されている言葉を学ぶ難しさ。
イギリス人って会ったことあります?
「絵で見る英語」で英語を学ぶ
そう思っていた矢先、偶然「絵で見る〇〇語」というシリーズを見つけました。
僕が最初に手に入れたのはドイツ語とフランス語でしたが、他に英語、スペイン語、イタリア語、ロシア語があって、後に英語版は手に入れました。
このシリーズはふつう行なわれるような学習、つまり
英単語に対応する日本語を覚えて英語を日本語に訳しながら学んでいく
ものではなくて、絵とそれを表す英文とをみて英語をそのまま英語として理解していくというものです。
これだけではわからないと思うので順に説明していきます。
どのような本か
この本(英語版)の初版は1945年で、ハーバード大学のリチャーズ博士という人が「外国語としての英語教育」を研究した結果生まれたもののようです。
この本の趣旨は
初心者が少ない語数で日常生活を英語で表現出来る
ことで、この教授法は
Graded Direct Method (GDM.段階式直接法)
と呼ばれています。
で、この教授法はこれをよく知っている教師によって教えられるのがよいらしいですが、この本は独学者のためにこの教材の使用法についての註がついています。
どのように学んでいくか
この本は1ページがだいたい4コマに分かれていて、それを順に(1→4)見て行くことによって段階的に英語がわかるようになっています。
画像は「絵で見る英語1(洋販)」からの引用です。
説明のため本文を1ページだけ引用します。
各コマがうまく関連をもっていて前後を比較することによって英語の意味がわかるようになっています。
一こま目、
You are there.
と話者から離れた一人の人に対して語りかけていますが、
二コマ目では二人に対して、
You are there.
と言っていて、youというのが一人にも二人にも使うということがわかります。
また三コマ目ではthereがhereにかわっていて、thereが遠くのものに使うのに対して、hereは近くのものに使うという事がわかります。
このように、段階的に語や表現の意味がわかっていき、またある言葉に関してはthereとhereのように対照されてでてきます。
このコマは始めから数ページのところにあるものですが、この本の始めは
I (私)
You (きみ)
など極めて簡単な語から始まり、除々に長い文章になっていくので、新しい単語が急に意味のわからないようにでてくることがありません。
上のコマのthere, hereも前の方にあらかじめ出てきていて、順にみていればすでに学ばれている単語です。
単語数
この本は一巻のあと続刊の第二巻があります。(さらに上級もあるよう)
一巻目はおよそ300語、二巻あわせるとおよそ750語になります。
少し前こんな記事を投稿しました。
750語という単語数はなにかこの記事に書いた内容とつながるところがありそうですね。
なんにせよ出てくるのはそこまで多くないですが、その基本の単語を繰り返し繰り返し見て行くので意味がしっかり身につきます。
また一通り学んだあと、巻末にはワークブックがついていて語や表現が身に付いているか、確かめることができます。
使ってみた感想など
僕は英語より先にドイツ語のほうをざーっと読んでいってだいたい読み終わったので、おもにそっちの感想なのですが、結果をいうと結構学ぶところがありました。
学べるのは上に書いたとおり、”日常的な表現”、つまり会話的なものです。
僕はほとんど文語的なものばかり読んでいるので、新鮮で面白く、新たに覚えた事もありました。
ええ、この語をこんなふうに使うこともあるんだ
みたいな
それからこれはまあ参考にならない話かもしれませんが、英語とドイツ語をみくらべると、中身が多少違います。言葉が違うと説明の仕方、順序もかわるということなんでしょう。
英語がさっき書いたように、
I You
から始まっているのに対し、ドイツ語はいきなり、
Ich bin ein Mann.
から始まっています。(英語でいうと I am a man.)
これは英独の違いを表しているようで面白かったです。
自習できるかどうか
独習できるかどうかについてはちょっと判断しかねるところがあります。
西洋語を全く知らない状態だと難しいかもしれない
絵で英文を表しているとはいえ、限界があります。
僕はすでに英語もドイツ語も知っている状態で読んでいるのでわかりますが、固定された数枚の絵だけで英文の意味を的確にとらえられるかというのは疑問ではあります。
知識というよりはなにか、推理力みたいなものが問われると思います。
うーん、中を知らないとわからないかもしれませんが、上の画像でいうと
人によってはもしかすると
You are there
を
きみの前に崖がある
とか
きみは立っている
とかいう意味で捉えてしまうかもしれないという話
thereはすでに知っているはずの単語なので、前でてきたときに正しく理解していればここでも正しく理解できるでしょうが、そうとは限らないし、語の意味も一つとは限らないので、どう解釈していいか悩むところも当然でてくるだろうと思われます。
まあこれは辞書を全く使わないとすればの話です。
当然ずっと辞書を使わないわけにはいかないでしょうから、ある程度進んだら英英辞典でもひくのがいいのかもしれません。
ドイツ語版では僕もブログのどっかで紹介したランゲンシャイトがすすめられていました。
ランゲンシャイトは色々な言語で出版されています。
英英辞典だとオックスフォードの現代英英辞典がおすすめ
この辞典は日本人向けに作られたもので、とても使いやすいです。
というわけで僕はまったくの初学から使うのではなくて、初歩の文法を一通りやったあとくらいに取り組むと良い効果があるんじゃないかなあと思いました。
おわりに
いつも文とにらめっこしている僕ですが、絵で学ぶとより生きた言葉を学んでいるようで面白かったです。
絵をみながら辞書無しで楽しくすすめられるのが何よりいいです。
かたい文章を読んでいるだけではどうしても抜けてしまうようなところを補えるんじゃないかなと思います。
英語を勉強している方、これからしてみようと思っている方はチェックしてみてください。
CD付もあるので、実際に会話に役立てたいという方はそちらを求めるとよいかもしれません。
というわけで、絵で見るシリーズの紹介でした。
楽しく勉強できればなによりいいですね!
では今回はこのへんで、Good Bye!
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