*今回も走り書き故、多々雑な点があると思いますがお許しくださいませ。
休みになるとたいていブログのためにカフェ(僕はフェのほうを高く読む)へ行く。というのも今家にネット環境がないから。
だいたいは大手カフェチェーンのコンセントのある席を陣取ってコーヒー 一杯で、まあ色々と諸作業をすます、迷惑な客となる。ただいつもいくところは席がかなりたくさんあるので僕がちょっと長めに座っていたからといって他の客の席がなくなるということはないのでぎりぎり僕の良心的にも限度を超えていない、ということにしている。
それで、午後は一旦家へ帰り、荷物を置いてまた外をぶらぶらする。
この間の休みはまた古本屋へ行った。
この新しい土地ではどこに古本屋があるのか、おのずとしれることもほとんどないので、僕としてはちょっと面白くない気もするのだが、カフェに居る間なんかに現代人らしくググってしまう。(マップをみる)
本当は徘徊しているうちに偶然発見できるのがよいと思うのだが。
まあでも地図上で知られることというのはほんの一部でしかないので、いつも新鮮な驚きと共に古本屋だかなんだかを目指すことになる。
家の近くに洋服屋の一角で天然酵母やら有機食品やらを使ったパンを扱っている変わった店があって、そこでバケットを買ってそれを食べながら古本屋へ歩いた。
バケットを食べながら歩くと前に先生と神楽坂でたまたま見つけた「哲学者のパン」とかいうパン屋でバゲットを買ったことを思い出す。
この日は全日本国民待望の日曜日であって、公園などは人でごった返していた。
途中みるからに商用の、入場は無料だが、庭園があって、はいってみたが、こういうところは休みにくるものじゃないと思ってすぐ引き返した。
古本屋によったあとその先にある大公園も覗いてみたが、さらに酷い状態で、というのも誰か知らないが歌手だがアイドルだかが自らの美声をアンプリファーを通してあたりにまき散らしていたので、これまたすぐ引き返して、今度はウィークデイに来ようと決心した。あとできいたのだがこの公園は桜の名所らしい。
飛ばしてしまったがその前に目的の古本屋によった。
ここも、「も」というのが普くあたるかわからないが、別々の古本屋が仲良く近所住いしている。
僕の住むあたりはもともと商人の街で、まあこのあたりの人間の性質として商売人気質らしいけれど、とにかく商売気がある。
古本屋というのは佇まいもその中にある人も、浮き世の諸々を感じさせないことが多いのだが、そのうちの一軒はその商売気が露骨に現れていて、少なくとも僕は見た事がなかったが、古本一冊いっさつに値段がつけてあった。
ふつう古本の値段は裏表紙をめくったところなんかに書いてあるのだが、この店では別紙に大きく、しかもこれだけ値下げしていますよというのがわかるように、書いてある。それが棚中すべての本の背表紙に貼ってある。
異様な光景だったのでちょっと辟易したけれど、本を開かなくても価格がわかるというのもまあよいところがあるかもしれない。
その店の中に齋藤秀三郎の「熟語本位英和中辞典」があった。
この本は僕にとってとにかく懐かしいもの、先生と会って間もないころこの辞典のことを聞いた。
といってもこの本は絶版だったから手に入れるとすれば偶然であうのを待つしかなく、そのときまで持っていなかった。
◇熟語本位 英和中辞典 新版 CD-ROM付(Amazon)
2016年に復刊しているが、新かな新漢字にかわっている。
結局そのあったのを買う事になったが、辞典というのは古本でも高いものが多く、買うときにためらうものが多い。
買うか、買わぬか、決めるのは様々の要素にわたって、古本一冊にこれほど悩む必要があるのかと、自分でも笑えてくる。
この本についてはおおよその相場は知っていたし、そこまで悩まなかったが、他の本もみつつ半時は考えた。
熟語本位英和中辞典を背負って、そして実はもう一冊上田万年の大日本国語辞典を鞄にいれて、帰った。
痩骨の肩にかかれるものを降ろして、日が暮れたころ近くの銭湯へ向かった。
この銭湯は行った事がなかったが、家からすぐのところに銭湯があるときいて、行ってみることにした。
だいたいの場所は知っていたが、天然の方向音痴も合わされて迷った。
結局また半時程うろついてようやく路地裏にある小さな看板をみつけた。
僕は銭湯といえば大きな煙突があると思って、大空ばかりみていたが、こぢんまりしたものだった。
「男」のほうにはいると例のごとく番台が、このときはばあさんだった、いて入湯料を払う。
この入湯料が京都の銭湯と同じ気がして、そういうものかと聞いてみると、京都と同じかは知らぬが組合で入湯料というのは同一に定められて居る、という。
昔風の金属板の鍵がついた棚に洋服を放り込んで浴場へはいった。
浴槽はいくつかに分かれている。
僕は身体を洗ったあと、とりあえず手前の浴槽に手をいれてみて入れそうだったので入った。
結構、熱い。
暫くして、のぼせてきたので、浴槽のふちへ腰掛けて身体をさます。
時間帯もあってかそこまで広くない浴場内に10人くらいの、主に爺様が、身体をこすったり、湯に身体を浸して真っ赤になっている。
身体が冷めてきた頃、別の湯に入ろうとしてひとつずつ手を入れてみたが、となりに移るごとに熱くなって、電気風呂や寝風呂もはさむが、最後の湯船はとんでもなく熱かった。
僕が入ったのは結局一番最初の、一番ぬるい湯と寝風呂だけで他は入れたもんじゃなかった。
番台の、じいさんにかわっていた、に聞くとその熱い湯に好んで入る人も居るのだという。
今日は盛況ですね、というと、
ああ?というので、混んでますねというと、
ああ、全然だめだ、云々という。
昔はもっと賑やかだった。この界隈には今の十倍くらいの銭湯があったけど、今は3軒しかない。
僕が適当に相づちをうって聞いているとじいさんの話に火がついて、結局孫の進学の話まで始まったが、他の客が牛乳を買いにきた隙に、
またきますね
といってすっかり暗くなった外へでた。
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