私が音楽をするようになったいきさつは始めのほうで書いたのでありますが、楽器を始めたその後、少し本格的に音楽を勉強するようになったわけです。
今回はその経緯について、まあ色々と思い出しつつ書きます。
ラモーのガボットと変奏曲
ピアノを習い始めて間もなく、
正確にどのタイミングであったか定かではありませんが、おそらくバッハを抜きにすれば、初めての曲だったかと思われますが、ラモーと云う作曲家の曲を先生から渡されました。
前にも少し書きましたが、ピアノはちゃんと弾こうと思えば好きな曲を弾くだけでなく、指の訓練、音階練習、練習曲等をこなす必要があります。
そういうわけで”曲”以外に色々やることがある。
そして、バッハを抜きにすれば、と云うのはバッハの曲はピアニストにとって練習のための曲であり、また本番のための曲であるという意味です。
訓練の目的で普通弾かれるものに、インベンションとシンフォニア、また平均律クラヴィーア曲集第一巻と第二巻と云うのがあります。
そして、そのどちらも実際に演奏会でとりあげられることがあるわけ。
私の場合バッハはつねに練習の中に入っていて、その他に”曲”をやるわけですが、そこで渡されたのがラモーだったわけです。
ラモーはフランス・バロックの作曲家で1683生-1764歿ですからだいたいバッハと同じ年代です。
歌劇が重要な作品のようですが、私はその辺詳しく知りません。
どんな曲か
私の手元にある楽譜はNew YorkのInternational Music Companyと云うところのもので、英語で題が書かれています。
RAMEAU
GAVOTTE
WITH VARIATIONS
in A minor
FOR PIANO
(ISIDOR PHILIPP)
ラモーはバロックの人ですから、もともとこの曲はクラヴサン(チェンバロ)のための曲ですが、この楽譜はIsidor Philippと云う人によって編曲されています。
GAVOTTE(ガボット)と云うのはバロック時代よくかかれた舞曲で、VARIATIONと云うのは変奏曲のことです。
ガボットをテーマに六つの変奏がついています。
聴いてみる
ちょっと聴いてみましょう。
Rameau Suite en A 1728 Gavotte avec 6 doubles Christie harpsichord
これは原曲のほうです。
聴いたことがない方もいらっしゃるかもしれませんが、これがチェンバロの音です。
やけにジャラジャラとやっているのはバロックの習慣で、”装飾”がたくさんつけられているからです。
有名な、「トリル」というのも装飾音のひとつです。
1:35までがテーマのガボットです。以降は変奏になります。
動画の題のdoubles(ドゥーブル)が変奏の意 avec(アベック)はwith
今や死語のアベックはここからきているんでしょう。
Suiteは英語でスウィートなんていったりしますが、組曲の意
ホテルのスウィートルームのスウィートです。
とまあこんな曲なわけですが、この曲を始めて、私は非常に気になりだしたのであります。
曲と云うのは一体どうなっているのか・・・
この音はなぜここにあるのか、どんな役割があるのか。
そういうことが、たくさんの音を扱うピアノを始めて、無視できなくなってきた。
それで、自力で色々調べたことを素にこのラモーのガボットを解剖し始めたのであります。
この音はなぜここにあるのか、なんてことが気になりだしたら、もうおしまいです。
普通そんなことは気にならないらしい・・・
普通気にならないことを気にするというのは、社会的でないわけですから、私はラモーをきっかけに社会から離れていったわけです。
まあ正確にいえば、チャイコフスキーの協奏曲にのめり込んだあたりから普通じゃないわけですが、いよいよもってどうしようもないことになってきた。
参考に上記の楽譜
私の持っているのは輸入版で手に入れにくいようですが、とりよせできるようです。
初心者にでも弾ける曲ですからピアノ弾く方にお勧めします。
ピアノ版は装飾が少なくすっきりしています。
続
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